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2011年7月30日 19:04

小児理学療法学ブログ

こんにちは。
今日は、理学療法学科2年生の授業で新しい試みをしたのでご紹介します。

グループワークを取り入れて

理学療法学科では、1年生で解剖学や生理学など身体の基礎をしっかりと学び、
2年生でその知識を基に理学療法を学んでいきます。
2年生の後半には3週間の評価実習があり、実際に患者様を担当させて頂いて、
自分で考えていくことが求められます。
3年生になると9日間×1回・8週間×2回の臨床実習があります。
そこで、学内のうちから実習に向けて能動的に考えるグループワークを積極的に取り入れています。
今年もそのスタイルで実践しようとしていた折、島田つくみさんから提案をいただきました。


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先日、理学療法学科1年生のコミュニケーション論でも来て頂いた、島田つくみさんです。
(この様子は以前のブログで紹介していますので、ぜひ見てみてください。)


講師に島田つくみさんをお迎えして

島田さんは、出生時から身体に障がいが出る脳性麻痺という病気をお持ちです。
両手・両足にも障がいがあるため、スムーズな動きができません。
それによって、社会的に仕事をすることも出来ない状況でした。
しかし、島田さんは“障がいがあるから仕事がしたいのに仕事ができないのはおかしい。”という
強い思いで、“ぜひこれからの理学療法士のたまごたちに私の話をしたい”と、島田さん自ら当学院へアプローチしていただきました。

そこで、2年生の「小児理学療法学」の授業で、島田さんに来ていただきました。


学生は、前週に島田さんが身体や生活のどんなことで困っているのかを話し合い、
島田さんへのイメージを膨らませた状態で授業に臨みました。
学生は、熱心に話し合いを進め、時間が足りないほどでした。
質問もたくさん出て、準備万端で当日を迎えました。

当日、学生は緊張していましたが、島田さんが満面の笑顔で教室へ入ってこられたことで、
学生たちの緊張も一気に和らぎ、和やかな雰囲気にて質問会が始まりました。

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学生は、自分たちで考えた質問を次々に島田さんに投げかけていきます。

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島田さんの電動車いすに試乗させてもらいました。

実際に段差を想定して試乗すると、やはり段差を昇るときも降りるときも衝撃が強く、
頚に負担がかかります。
また、昇るときは後方に倒れそうになります。街の中にはこういった場所が多くあります。
例えば、車道と歩道の間の段差など・・・。私たちが日頃何気なく通っている場所が障害に
なっています。
それによって頚や腰など身体に負担がかかり、痛みに繋がります。

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専門的な立場から

最後に、島田さんを担当されている訪問リハビリの理学療法士の先生、島田さんの生活全般に
関する相談業務を担当されている相談員の方にお話を伺いました。

理学療法士の先生からは、「島田さんは、“こうして欲しい”というニードがはっきりしているので、
そのニードに応えられるよう努力をしています。」というお話をしていただきました。
我々理学療法士は、患者様が“こうなりたい”というニードを充分に聞き出し、
専門的な立場から判断をしてどこまでその患者様のニードに応えられるかが大切になります。
理学療法士の一人よがりではなく、患者様の気持ちにいかにして応えられるかという
理学療法士としての大切な資質を考えるいい機会となったようでした。

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相談員の方からは、障がい者の方が生活をする際にどういったことに困るのか、
家の中のことから外出する際のことまで含めてお話していただきました。
リハビリテーションとは、re(再び、戻す)とhabilis(適した、ふさわしい)、ation(にすること)から
成り立っています。
 
つまり、単なる機能回復(筋力増強運動やマッサージなどの身体機能の回復)だけではなく、
「人間らしく生きる権利の回復」や「自分らしく生きること」が重要で、そのために行われる
すべての活動がリハビリテーションなのです。
QOL(生活の質の向上)を目指して理学療法士は患者様に携わります。
学院に入学すると、1年生の最初にこの内容の講義がありますが、
島田さんを通して相談員さんのお話を聞くことで、
改めて“リハビリテーションとは”ということの理解を深めることができたようでした。

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理学療法士への思い新たに!

脳性麻痺という疾患論は、授業の中で学びます。
しかし、なかなか紙面上ではイメージがつきにくく、頭の中だけでの理解になってしまいます。
今回、実際に島田さんの身体機能面・生活面を見たり聞いたりすることで、
疾患イメージが具体的になり、また障がいを持つ方々の気持ちに少し近づけたのではないかと
思います。

 
学生の中に、こんな感想を述べた学生がいました。

 「島田さんは、障がいを“受容”しているというよりは、“自分の中に障がいなんてない”と
言っているように感じました。」

 「障がいがあるから、“働きたいのに働けない”“行きたい所へ行けない”というのはおかしい。
あきらめずに実現していく。」
 
という島田さんの熱い想いが学生に伝わり、学生も「理学療法士になる!」という思いがさらに強まった一日となりました。

こういった授業体系は理学療法学科では始めての試みでした。
いつにも増して学生の眼もキラキラしていて、いきいきと興味深く授業に望んでいました。
そういった学生の“自ら学ぶ”という姿勢が見受けられて、学生にとっても教員にとっても、
とても有意義な時間となりました。

島田さん、担当理学療法士の先生、相談員さん、本当にありがとうございました。

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